なぜ「ボタニカル」なのか

人間のように考え、話し、行動することがない植物から、私たちの仕事や人生に役に立つことを学ぶことができるのでしょうか。

たしかに植物には私たちのように動くこと、考えること、文字や言葉によるコミュニケーションはできません。

しかし、ボタニカル・シンキングでは、人間を基準にして植物ができないことを数えるのではなく、「植物は、動くことや考えること、言葉を使う必要がない」と考えます。

植物は種や胞子を飛ばし、何世代もかけて生殖域を増やすことによって“移動”します。植物は“考える”ことなく、環境、状況を把握し、長期的な理想の姿のための現在の選択を行います。植物は昆虫などの外的から被害を受けると、その昆虫の天敵を呼び寄せるSOS物質(フェロモン)を発散し、そのSOS物質を“感じ取った”別の植物からも同じ物質が発散され、被害が拡大することを防止します。

また、人間や動物に気功の「気(Chi)」のような生命エネルギーが存在するのであれば、生物である植物にも存在して当然のことでしょう。さらに、量子力学の面から植物をみると、気をはじめとする量子的交信や何らかのエネルギーの干渉によるコミュニケーションを否定することは、今や非科学的であるといえるでしょう。

私たちが学ぶということは、学校の先生や先達などの一般に知識と経験、知恵を持った人たちから学ぶ場合を指します。しかし、私たちは、子育てにおいては子供から教えられ、犬などのペットからの無償の愛に教えられ、アスファルトを割って芽吹こうとする花の生命力に教えられてきました。

物言わぬ植物は、人間のようには活動することはありません。その活動の特徴は、現代の私たちと対極的な活動をしています。その植物の対極的な活動の意図にこそ、私たち現代人に必要な知恵が隠されているのです。

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